経口中絶薬(メフィーゴ®パック)による初期人工妊娠中絶について

経口中絶薬による妊娠初期の中絶に対応しています

避妊は、望まない妊娠を防ぐ最も確実な方法ですが、避妊に失敗した場合や様々な事情で妊娠の継続が難しい場合には、人工妊娠中絶という選択肢があります。当院では、妊娠初期に行う経口中絶薬を用いた人工妊娠中絶に対応しています。
※人工妊娠中絶手術(外科的処置)も実施しております。

日本では、2023年4月に経口中絶薬「メフィーゴ®パック」が承認されました。この薬剤は、ミフェプリストンとミソプロストールという2種類の成分を順に服用することで妊娠を終了させる方法であり、一定の条件を満たした場合にのみ、母体保護法指定医師の管理のもとで行われます。

当院では、患者様の安全とプライバシーに配慮しながら、医学的適応やご本人のご希望を十分に伺い、慎重に治療方針を検討しています。経口中絶薬による処置は次に述べるミフェプリストン錠の服用日が、妊娠9週0日(妊娠63日)以下が対象です。

経口中絶薬のしくみと特徴

メフィーゴ®パックについて

メフィーゴ®パックには以下の2種類の薬が含まれています。

1剤目:ミフェプリストン錠(1錠)…妊娠の継続に必要なホルモンの働きを抑制します。

2剤目:ミソプロストールバッカル錠(4錠)…子宮の収縮を促し、胎嚢の排出を促します。

この薬剤は、医療機関において指定医師の管理下でのみ服用可能です。個人での購入やインターネットなどでの海外からの入手・使用は、健康上の重大なリスクがあるだけでなく日本の法律にも違反するため、決して行わないでください。

世界的には30年以上前から使用されており、世界保健機関(WHO)でも推奨されている方法の一つですが、日本では新しく導入された治療法です。

人工中絶手術は、安易に行うと母体に悪影響を残す可能性があります。今日初診で来て、明日すぐにできるものではありません。当院では、まず受診いただいて検査・診断の上で安全にできる週数を考慮して手術日を決定します。そして手術前日にいらしていただき、子宮口を拡げる前処置を行って安全性を高めています。
 当院では痛みに十分配慮し、適切な麻酔でできるだけ痛みを感じない手術を心がけています。手術は診療時間より前に行います。その時間帯には他の患者さんは診察室、処置室にはおりませんので一緒になることもありません。

治療の流れと日程の目安

受診方法

当院は予約制ではありませんが、妊娠中絶をご希望の方は予め当院にお電話のうえご来院ください。

1初診・説明

妊娠の診断を行い、妊娠週数の決定を行います。(受診時期によっては週数がまだ決定できない場合があります。)そして、経口中絶薬について詳しくご説明いたします。治療の流れや注意点についてもご説明し、同意をいただいたうえでスケジュールを調整します。この時点で1剤目の開始日が妊娠9週1日以後となる場合は、従来通り外科手術の適応となります。
必要な検査(超音波検査、血液検査、性感染症の検査等)を行います。

21剤目の服用(外来)

外来でご来院いただき、同意書を提出いただきます。指定医師の確認のもと、ミフェプリストン錠を1錠服用します。服用後は30分待機ののちご帰宅いただき、安静にお過ごしください。

※1剤目服用後出血や腹痛を伴うことがあります。胎嚢が排出されることもあります。排出が確認された場合には、2剤目の投与を行わないこともあります。

32剤目の服用(院内待機)

1剤目服用の翌々日の8時45分に来院します。ミソプロストールを4錠、頬と歯茎の間に2錠ずつ含み、唾液で30分ほどかけて溶かします。残った薬剤があれば水で服用していただきます。その後は院内で経過観察を行い、個室でお過ごしいただけます。痛みなど症状がなければお仕事の持ち込み、パソコン・スマホの利用に制限はありません。

付き添いの方の入室も可能です。服用後は多くの場合、数時間以内に胎嚢が排出されます。

4排出後の診察

胎嚢の排出が確認された時点で、指定医師にご報告いただきます。超音波検査などで子宮内の状態を確認し、中絶処置が完了したかを確認します。
16時までに排出が見られない場合には、医師の判断で外科的処置に切り替える場合があります。

費用

週数によって異なります。初診・説明時に提示いたします。お支払いは1剤目のミフェプリストン錠開始日の来院時になります。なお薬のみで人工妊娠中絶が完了し、手術が行われなかった場合は一部返金があります。

副作用・リスク・注意点

出血について
ほとんどの方に子宮からの出血が生じ、数日~1週間程度継続することがあります。特に胎嚢排出の前後数時間は出血量が多くなる傾向があります。まれに失神を伴うほどの出血や、貧血の悪化が起こることもありますので、異常を感じた場合は速やかに当院へご連絡ください。

下腹部痛やその他の症状
投与後、ほとんどの方に下腹部痛が生じます。必要に応じて鎮痛薬を使用します。ごくまれに感染症(子宮内膜炎など)が起こることがありますので、体調に変化があればお申し出ください。

投与にあたっての注意
子宮内避妊器具(IUD/IUS)を装着されている方は、事前に取り外しが必要です。また、授乳中の方や服用中のお薬がある方は、必ず医師にご相談ください。


現在、2剤目服用後実施医療機関から半径16km以内に自宅がある場合はそこでの待機が認められるようになりましたが、自宅で排出した場合は胎児とその付属組織を医療機関まで持参しなければならず、当院では院内での待機としております。

最後に

経口中絶薬を用いた人工妊娠中絶は、医学的な管理のもとで適切に行われることで、安全性を保ちながら妊娠を終了させる選択肢となります。当院では、患者様の心身のご負担を最小限にできるよう、プライバシーに配慮した環境で診療を行っております。

ご不安なことやご質問がございましたら、どんな些細なことでも構いませんので、お気軽にご相談ください。

妊娠にまつわるお悩みは、誰にも言えず一人で抱えてしまいがちな問題です。とくに人工妊娠中絶という選択に至るまでには、多くの葛藤や迷いがあることと思います。
当院では、そうしたお気持ちに寄り添いながら、医学的根拠に基づいた安全な方法をご提案しています。経口中絶薬による中絶は、身体への負担が比較的少ない一方で、正しい管理のもとで行う必要があります。私たちは、患者様の心と体の両面を大切にしながら、静かな環境で安心して治療を受けていただけるよう努めております。
どんなに小さなことでも構いません。不安や疑問があれば、どうぞ遠慮なくご相談ください。お一人で悩まず、まずはお話しにいらしてください。

小関産婦人科医院
院長 小関 聡
日本産科婦人科学会専門医
母体保護法指定医

患者さんがホッとすること
笑顔になることを大切にしています

横浜市旭区で産婦人科をお探しなら、一般婦人科からピル、
人工妊娠中絶まで幅広く対応している
小関産婦人科医院までご相談ください。

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