婦人科全般
女性のライフステージに合わせて注意したい疾患
女性は男性と異なり、一生のうちに月経という現象があり、それぞれの年代区分によって身体的変化が顕著に表れます。女性の一生は小児期、思春期、成熟期、更年期、老年期に分かれます。そのために年代によって注意しなければならない病気も変わってくるのです。特に変化の激しい思春期と更年期は急な身体の変化に戸惑うことが多く、お悩みも多いことと思われます。
女性ホルモン(エストロゲン)量の変化
思春期に注意が必要な疾患
思春期では、ホルモンの働きが安定しません。そのため、月経に伴う病気に注意が必要です。特に気を付けたいのが「生理痛」です。
毎周期、子宮内膜という血液の壁を作って受精卵が着床しやすくするように準備します。子宮は妊娠の準備をしていますが、人間は毎周期妊娠することはありません。そのため、古くなった血液の壁を体外に排出します。このリセットされる際に出血が起こるのが、「生理」です。
子宮が収縮して血液の壁を絞り出すので、当然子宮は強く収縮します。収縮するわけですから、痛みを伴うのもうなずけます。
この生理痛を和らげるために、鎮痛剤や鎮痙(ちんけい)剤が一般的によく使われています。ところが現在、生理痛の強い人は子宮内膜症の予備軍であり、また子宮内膜症は不妊の予備軍と考えられるようになってきました。予防のためにも、生理痛の痛みはがまんせず、ぜひ当院までご相談ください。
現在では超低用量の治療用ピルが、生理痛の痛みを軽減させるだけではなく、将来の不妊を防ぐ有力な治療法としても注目されています。薬で安全に生理痛をコントロールしていくことは可能です。
対象となる疾患
成熟期に注意が必要な疾患
生理不順の方で、「PCO」と呼ばれる「卵巣」と「ホルモン」の病気の方がいらっしゃいます。生理不順は、痛みや体調不良を伴うことが少なく、放置してしまいがちな病気のひとつ。しかし、2ヶ月以上生理が来ない方は、受診をおすすめしています。超音波検査やホルモン検査などを行い、現状を知り、また将来におけるリスクを把握しておくことが大切です。
対象となる疾患
更年期、更年期以降の主な疾患
対象となる疾患
性行為感染症(STD)とは
性行為感染症(STD)とは、性行為を媒体として感染する病気の総称です。エイズや梅毒などの病名を耳にした方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、これらの症状の診療は、あまり一般的とはいえません。現在、最も多いのが「パピローマウイルス」でしょう。このウイルスは、子宮頸がんの原因や尖圭コンジローマの原因にもなる怖いウイルスです。
そのほかの性行為感染症としては、クラジミア、ヘルペス、淋病、トリコモナスなどがあります。クラミジアは症状が乏しいものの、卵管が炎症化し、卵管が詰まることで不妊の原因になることもあります。また、ヘルペスは外陰部に水痘や、潰瘍を生じ、非常に痛みを伴う病気です。淋病やトリコモナスはとても強い炎症を起こす病気です。おりものの増加やかゆみなどの症状が一般的です。
上記に挙げたどの病気にもいえますが、重要なのは「早期発見」「早期治療」です。また、自分が感染の発生源にならないことも、とても大切です。気になる症状があれば、早めに受診しましょう。