がん検診・ブライダルチェック
子宮頸がん検診
子宮頸がんとヒトパピローマウイルス
子宮頸がん細胞は、HPV(ヒトパピローマウイルス)の感染により発生します。感染から数か月~数年以上かけて増殖すると言われています。HPVには性交の経験を持ってしまえば80%くらいの女性が感染してしまいます。しかし全員が持続的に感染し続ける訳ではありません。その80%くらいはそのうちに消えてしまうと言われています。では残った20%くらいの人は全員がんになるのかと言うと違います。異形成というグレーゾーンを経てがんになっていきます。パピローマウイルスは非常に多くの種類がありますが、がんの発生に関与するウイルスは、それらの中の一部です。しかし日本では毎年1万人くらいが子宮頸がんで亡くなっています。
子宮頸がん検診は子宮腟部または頸管部というところからプラスチックのヘラやブラシで擦過して細胞を採取し、専門の技師や病理専門医が診断します。欧米ではHPV感染も同時に調べることで将来がんになり易いかを含め、より正確に調べていますが、日本ではまだそこまでには至っておりません
一次検診と二次検診
子宮頸がんの検査は、一次検診と二次検診があります。一次検診では問診・視診・子宮頸部細胞診を行い、その結果、異常があるかどうかを振り分けます。ここで怪しいと診断された場合には二次検査に移ります。二次検査は、より精密な組織診を行います。ここで、高度異形成や0期の上皮内がんと診断されれば円錐切除などを行います。軽度または中等度異形成と診断された場合は経過観察になります。軽度または中等度の場合、HPVの何型に感染してるいかを調べることが出来ます。その結果により経過観察の周期も決まってきます。検診を受けることにより、早期発見につながります。20歳以上の女性が検診の対象者となります。時間をかけて増殖するがんですので、定期的な検診が有効です。
子宮体がん検診
40代後半から発症リスクが高まる子宮体がん
子宮体がんは、子宮頸がんとは全く異なる性質を持つがんです。子宮体がんとは、子宮の内側を覆う内膜から発生するがんで、40代から罹患者が増えていきます。通常、子宮内膜は生理のときにはがれてしまうので、40代前半の女性では子宮体がんの発生は滅多にありませんが、それでも著しい月経不順のある方では30歳代での発生もあります。最近では、50歳以上の子宮がん患者の約半数は子宮体がんであると言われています。
子宮体がんと子宮頸がんは発生する場所が違います。よって、子宮頸がん検診では子宮体がんを発見することはできません。発症リスクが高まる40歳後半からは、子宮頸がんと子宮体がんの両方の検診を受けることをおすすめしています。
子宮体がんの特徴
子宮体がんの特徴の一つとして、不正出血があげられます。よって、閉経したのに出血がみられるなどの不正出血がある場合には、すぐに子宮体がん検診を受けると良いでしょう。子宮体がんは、ホルモンバランスの異常が大きく関与する病気ですので、妊娠・出産の回数が少ない人や月経不順が長かった人、肥満や糖尿病、高血圧の人はリスクが高いといわれていますので、できるだけ子宮体がんの検診をうけることをおすすめします。
検査は、細胞診が主体となりますが、経腟超音波検査の有用性も認められつつあります。但し診断は細胞診を経て、組織診によってなされます。
ブライダルチェック
婚約や結婚の前に知っておきたい、自分の身体のこと
将来のいい妊娠や出産のために、ブライダルチェックでご自分のお身体について正しく理解することをおすすめしています。妊娠しにくいような異常がないか、あらかじめ対処しておく必要のある問題はないか等を確認します。そして、当院では、特有のお悩みが生じがちな女性が快適に生活できるよう、産婦人科専門医の豊富な知識と経験を活かしてサポートしています。